まるごと茶の効能

抹茶とまるごと茶ってどう違うの?という質問をよくいただきます。
栽培方法や製法による成分の違い、味や使い方などをここで解説していきます。
お好みのお茶を見つけるひとつの参考にしてくださいね!

1.栽培方法の違い

まず、抹茶の栽培方法について。お茶の収穫は年に3~5回ありますが、抹茶も4月~5月に収穫する茶葉が一番品質が良いです。
収穫する前の茶の木に日光を遮る(覆下栽培)を20日以上します。
まるごと茶に使用する茶葉は日光をたくさん浴びた4~5月の茶葉をしています。

2.製法の違い

抹茶の製造方法は大きくわけて「蒸す」→「冷ます」→「乾燥させる」(この状態で碾茶) → 「選別」→「さらに乾燥」→「粉末にする」という工程です。
まるごと茶は現在深蒸しより浅蒸しに近い製法で製茶しています。「蒸す」→「冷ます」→「揉む×3」→「乾燥させる」(荒茶)→「選別」→「乾燥(火入れ)」→「粉末にする」という工程です。原料である碾茶(てんちゃ)と荒茶(あらちゃ)になる前が大きく違いますね。

3.成分の違い

一般的な栽培(慣行栽培)と無農薬や有機栽培でも成分は違うかもしれませんが、今回は県や国の試験場などで研究発表されている情報をもとに粉末茶と抹茶の大きな成分の違いについて解説します。
抹茶は日光を浴びない期間に”アミノ酸”が多く作られます。お茶に含まれるアミノ酸は主にテアニン・グルタミン酸・アルギニン・グルタミン・アスパラギン酸・セリンなど。旨味成分として知られています。その中の”テアニン”が日光を浴びることによって”カテキン”に変化していきます。
まるごと茶などの粉末茶は日光を浴びる期間が増えるので”カテキン”が多く作られます。カテキンは渋み成分としても有名ですが、お茶の薬効ともいえる一番の健康に役立つ成分です。
どちらもお茶の成分の中で欠かせない重要な成分ですが割合が違います。

4.実際の味や楽しみ方の紹介

比べると、抹茶は甘みが強く色が鮮やか まるごと茶は味が濃く、ほどよい渋みがあり健康にいい。
抹茶には”サポニン”という成分があり、それが泡の正体です。お抹茶を点てる場合は、やはり抹茶を使用した方がよさそうです。
データとして調べてはいませんが、まるごと茶には抹茶のように泡立たない為、サポニンが少ないようです。
お湯にサッと溶かして飲みたい場合はまるごと茶がおすすめです。軽く混ぜるだけでいいので気軽に楽しめます。
お菓子やお料理などに使用する場合は、どちらも良いと思います。

番外 まるごと茶のカテキンパワー

抹茶や粉末茶は煎茶に比べ、茶葉をまるごといただくので食物繊維など水溶性でない成分もとれるスーパーフードです。
1000年以上前からお薬として仏教とともに中国から伝わったありがたい作物です。栄西禅師ありがとうー!!
特に有名なお茶の成分、カテキン、中でも【メチル化カテキン】は”炎症や免疫反応に関わるマスト細胞(顆粒細胞)の活性化を抑制し、かゆみや鼻づまりの原因であるヒスタミンの放出を抑える”ことが研究でわかってきています。
風邪予防・花粉症予防・インフルエンザ予防などにはこのカテキンを上手に利用してください。
カテキンは温度で効能が変わります。”メチル化カテキン”の効率的な摂り方は「お湯」で「濃いめ」に「定期的」にです。
毎日400~600㎖ほど、通常の倍くらいの濃さがおすすめです。もちろん個人差がありますが、デトックスの一つの方法としてお試しください。

関連記事